目的と活動
1.専門委員会の目的
サステナビリティの達成への追求が問われている現在,良質の製品を効率よく生産し,低価格で社会に供給するという従来の生産の概念は変更されるべきである.本来我々が必要としているのは,製品そのものではなく製品が担っている機能である.従って,生産とは,消費資源と廃棄物を最少化しながら,社会が必要とする機能を提供,維持,管理していくための活動と考えるべきである.このような認識に基づき,最近,低炭素化,省エネルギー,リサイクルや循環型生産システムなどの議論が盛んに行なわれるようになっている.このことは,2015年にEUが決定した「Circular Economy」政策により,近年改めて強力に推進されている. 生産に係わる種々の問題に関して,これまで主導的立場で係わってきた精密工学会としては,このような立場での研究を率先して行っていくことで,実社会における生産パラダイムの変化を推進し,持続可能なものづくりに資するべきと考える.専門委員会は,多岐にわたるライフサイクルエンジエアリングについて,この分野の研究教育活動を活性化させることを目的とする.
2.2025年度の活動計画
基本的には,これまで通りホームページの設置,講演会,報告書の発行, ワークショップの開催などを行う.その中でも,特定のテーマを定めて半日程度の講演とディスカッションを行うワークショップを中心に専門委員会活動を行う.同時に,2016年度に設立したリマニュファクチャリング・ワーキンググループについても積極的な活動を行う.
具体的には以下の活動を行う.
- (1)総会及び特別講演会1回,ワークショップ1回,見学会1回,講演会1回,ワーキンググループ活動1回(以上,予定)を通じた調査活動,普及活動
- (2)ホームページ作成を通じた情報交換
- (3)春季大会、秋季大会学術講演会におけるオーガナイズドセッションの開催
- (4)委員会活動のまとめとしての報告書の作成
- (5)国際研究交流の実施
- (6)EcoDesign2025国際会議の協力,CIRP LCE 2026国際会議の主催,CIRP Design 2026国際会議, World Remanufacturing Summit 2026国際会議の協力
その他上記事業開催にあたり,専門委員会活動費積立資産100万円取り崩す.
3. 最近の活動
講演
- 「Towards sustainable battery production systems and supply chains」 Thomas S Spengler(Technische Universität Braunschweig)
- 「持続可能な社会におけるプラスチックの循環利用」 加茂 徹(早稲田大学 理工学術院総合研究所)
- 「サーキュラーデザイン:デザイン学における研究領域の発展とファッション業界の動向」 水野 大二郎(京都工芸繊維大学 未来デザイン・工学機構)
- 「トヨタのサーキュラーエコノミーへの取り組み、ならびにCE指標について」 永井 隆之 増田 仁郎(トヨタ自動車株式会社)
- 「サーキュラーエコノミーの推進の効果を評価するための指標」 田崎 智宏(国立環境研究所)
見学先
- ヤマダ東日本リユースセンター群馬工場
- キヤノンエコテクノロジーパーク
お聞きになりたいテーマがあれば、幹事までご連絡ください。
更新日:2025年06月17日
製作・著作:精密工学会ライフサイクルエンジニアリング専門委員会